2002年5月18日 【岩手日報】 掲載
●独創技法 輝く奨励賞 盛岡の千葉さん銀粘土装飾展で3度目
盛岡市本町と折1丁目8-17 シルバージュエリーデザイナー千葉香さん(35)は、本年殿「銀粘土でつくるシルバーアクセサリーコンテスト」(日本余暇文化振興会主催)で、三度目の審査員奨励賞を受賞した。
受賞作の首飾りは、銀の表面をオレンジ色などに発色させる、千葉さんの独創的技法で作られた作品。試行錯誤を重ねた末の高い技術が、最大の銀粘土公募展で評価された。表彰式は25日東京で行われる。
「色彩のDelavu」と名づけられた作品は、中近東をイメージしたデザイン。銀と銅を重ねて曲げた部品と真珠、金属製の輪の148部品で構成される。
銀と銅を重ねて約際の、薬品や電気炉の温度、時間などの研究を重ねた結果、紫とオレンジ色を出すことができた。
銀粘土は銀粉と結合材を練り合わせたもので、自由に形を作り、電気炉で十分間役と、銀だけが残る。7年前に開発された素材で、工芸としての歴史が浅く、技術も手探り状態なのが現状。
その中で千葉さんの技術が評価され、プロ作家も出品した565作品中、4席にあたる審査員奨励賞を受賞した。
千葉さんは10年前、銀の美しさと強さに惹かれ、独学で銀細工を始めた。全国の職人を訪ねては腕を磨き、彫金、鋳金、銀粘土の三技法を身につけ、制作にいかしている。今回の審査員奨励賞のほか、他の大会でも多くの入賞経験がある。
現在は自宅の工房で政策を続ける傍ら、日本ジュエリーデザイナー協会会員として、市内の講座で講師を務め、銀細工の魅力を広めている。
千葉さんは「金属と熱による置くの深い世界を学ぶことが楽しい。受賞は励みになる」と喜んでいる。