★2005年6月29日 【盛岡タイムスWeb News】掲載

2005年6月2-日 【盛岡タイムスWeb News】掲載

彫金技法で広がる
  アートクレイの世界
     千葉さんが「応用編」
盛岡市中ノ橋通1丁目の千葉香さんが、このほど美術出版社から「アートクレイ+彫金技法の〔応用〕」を出版した。59ページ1890円。7月から全国で発売する。
昨年の5月に同社から出版した「アートクレイ+彫金技法の〔基礎〕」は、千葉さんが現在特許を申請している新技術、アートクレイシルバー(銀粘土)と彫金の接合技術を紹介。
それを踏まえて今回は、4つのジュエリーの創り方を紹介しながら、銀と異素材との融合を提案している。
基礎編は初版の五千部が、発売後1週間で完売。その後も順調に増版されるほどの人気を博したため、昨年9月に応用編の出版が決定した。
今回のイメージは、伝統工芸の「江戸べっ甲」と組み合わせた「タートルズ・ドリーム」。べっ甲を切り出したり、平らにするという下準備からはじめ、銀粘土で模様をつけた地金の枠と組み合わせるところまで、丁寧に解説している。
「べっ甲と組み合わせてみたい」と思ったのは数年前。定期的に東京の伝統工芸士の下に通い、その技術を習得した。
ワシントン条約により素材の入手が難しくなった現状を知り、伝統技術の衰退を恐れる職人の思いを感じた。伝統工芸を、自分の銀の技術と組み合わせて未来の人に伝えたい、という願いから、今回の掲載を決めた。
「マレーナリング」は、レースの花を基にしたリングヘッド。レースの上に直接、銀粘土のペーストを塗って焼成させる。レースの繊細で柔らかい質感を、硬質な銀で表現できるのは、銀粘土ならではという。
変色しない耐硫化銀粘土をしようした「満ち潮のロマンス」は、ヒトデの形のチョーカー。同じ作品を沢山つくるために、シリコンを使って型を取る技法を紹介している。
「ミラクル」は紫外線で乾燥させるUV樹脂を組み合わせたかんざし。銀粘土の模様の上にちりばめられたオパールを、透明な樹脂で閉じ込めている。
千葉さんは「伝統を固く守ってきた職人の技術と、新しく開発される技術を組み合わせる人がこれまでいなかった。
自分は特別なことをしたわけではなく、美しいものを作るために最適な技法を選択しただけ」という。「これからも異素材との組み合わせをどんどんやっていこうと思う」と意気込んでいる。
出版を記念した個展は、同市菜園1丁目かわとく壱番館キューブ店かわとく工芸館で、12月中旬に開かれる予定。問い合わせは創作ジュエリーアトリエ・シルバーアートカオリまで。

★2004年11月16日 【アートクレイ倶楽部レポート vol.8】掲載


2004年11月16日 【アートクレイ倶楽部レポート vol.8】掲載


出版記念の作品展
アートクレイ+αの
   技術を広めたい 

      岩手県 千葉香さん

「アートクレイ+彫金技法の〔基礎〕」の出版を記念して、毎年個展を開いているギャラリーで作品展を開催しました。
出版には構想に3年をかけましたが、実際の制作時間は3ヶ月。作品のデザイン、レシピ、制作、原稿、工程の撮影などを1人でこなすことは大変でありましたが、精一杯自分の全てを出すことができました。
ロウ付けなどプラスした技術があると、アートクレイのよさを更に活かせます。実際に私自身が制作するのは、SV地金とアートクレイを融合させたものがほとんど。
これからは宝飾のプロが作品制作で素材を選ぶ時、SV950やSV925地金と同じランクで、アートクレイがあるべきだと思います。
アートクレイはジュエリー、宝飾業界でもっと認知されるべき素材です。そのためにも、もっと自分の技術を伝えたいです。来春この本の応用編とも言える本を出版する予定です。

★2004年 5月 19日【盛岡タイムス】 掲載

【写真】「アートクレイ+彫金技法の[基礎]」を出版した千葉香さん

「アートクレイ彫金技法の基礎」 千葉香さんが出版

盛岡市中ノ橋通1丁目の千葉香さんがこのほど、美術出版社から「アートクレイ+彫金技法の[基礎]」を出版した。59ページ、1800円(税込み)。13日から全国で発売を開始し、県内では20日ごろから店頭に並ぶ。難しいと言われてきたアートクレイシルバー(銀粘土)と彫金の接合技術。千葉さんが10年をかけて研究開発した同技術を分かりやすくまとめている。

粘土状で焼くと純銀になるという銀粘土。彫金では難しかったような細い線を作ったり、竹串(くし)やピンセットで直接模様を描けるところが特長。一方で地金と接合できず、強度が低いため、趣味的な扱いの枠を超えられなかった。

金属同士を接合させるには、熱で溶かした合金のロウを挟むロウ付けを行う。銀粘土の場合はスポンジ状の構造のため、火を当て過ぎるとロウがしみ込んでしまい、接合できないと思われていた。
千葉さんは地金同士と同じように、銀粘土の焼成パーツと地金の接合面をぴったり合うように調節。焼成パーツ側の接合面を鏡面になるように磨くことでロウのしみ込みを抑えることに成功。銀粘土で作った部分に地金の土台を接合させることで強度を増し、一般のジュエリーとしての使用に耐える技術を確立した。
彫金職人の間で銀粘土がおもちゃとして見られているのが悔しかった。「新しくても素晴らしいものは認め、取り入れていくべき」とあきらめずに研究を続けてきた。
新技術を開発した職人は、特許を取って自分だけのものにすることが多いという。本を出しても技術をすべて明らかにせず、自分だけしか知らない部分を残すことがほとんど。
「技術は次世代に受け継ぐべき」と言う千葉さん。特許で囲ってしまわずに、同書には自分の持つ技術を余すところなく掲載。読んだ人が自分の技術を超えて、さらに飛躍してほしいと願っている。
同書はジュエリーの専門学校や大学の彫金科などでの使用が決まり、中級と上級編の出版も予定されている。問い合わせは創作ジュエリーアトリエ・シルバーアートカオリ(電話番号は019-652-5725)まで

★2004年5月25日 【岩手日報】掲載

2004年5月25日 【岩手日報】掲載

銀技法に新技法 ~銀粘土+他の金属 造形自在に~
盛岡市中ノ橋通1丁目のジュエリー工房主宰 千葉香りさんは、アートクレイシルバー(銀粘土)を他の金属に結合するアクセサリー制作の新たな技術を編み出した。
千葉さんは解説本「アートクレイ+彫金技法の〔基礎〕」を美術出版社から今月出版し、「次代の作家たちに伝えたい」と技術の広がりを願っている。
銀粘土は、銀粉と接合材を練りこんだ新しい素材で、焼くと純銀が残る。銀の表面に多数の凹凸を施すなど、複雑なデザインは、従来彫金の難しい技術が必要だったが、銀粘土なら自由に造形ができ、趣味でアクセサリー作りをする人が増えている。
スポンジのような状態で、ろうや硫酸が染み込むため「ろう付け」による金属との結合や、真っ黒に焼いた後の「酸洗い」は難しいとされていた。千葉さんはろう材が解ける温度や金属の融点、炎の当て方を研究し、いづれも成功させた。
これにより、宝石をとめる石枠や指輪の輪の部分など、強度が必要な箇所は地金で作り、細やかな装飾部分は銀粘土で表現することが可能となった。
解説本は59ページ。必要な材料や道具、バーナーの使い方、ろう付けや酸洗いのポイント、手順などを、写真付きで詳細に解説。「絹糸リング」など4つの基本的なアクセサリーの作り方、「よくある質問と回答」なども掲載し、初心者が無理なく取り組めるよう工夫した。1890円。
千葉さんは宮城県仙台市出身。結婚して盛岡市に住み、15年前から彫金や銀粘土造形を始めた。銀粘土を磁器や銅と結合したり、銀の表面をオレンジ色に発色させた作品を次々と発表し、コンテストで多数の賞を獲得している。昨年4月に同市内に教室兼工房を開いた。
「まだまだ挑戦して作り続けた石、自分の技術を伝え続けたい」と本の出版を喜んでいる。
山崎淳一岩手工芸美術協会理事(彫金、盛岡市)は、「銀粘土の作品は個性的な形がたくさんあって面白い。結合の技術があれば、彫金と銀粘土双方の可能性がさらに広がるだろう」と評価している。千葉さんは結合技術を用いて制作する教室を、7月から開催予定。

2004年5月19日【盛岡タイムス】掲載

     『アートクレイ』彫金技法の基礎
       千葉香さんが出版
             ~発見した接合技術を紹介~
盛岡市中ノ橋通1丁目の千葉香さんが、このほど美術出版社から『アートクレイ+彫金技法の〔基礎〕』を出版した。59ページ、1800円(税込み)。13日から全国で発売を開始し、県内では20日頃から店頭に並ぶ。
難しいといわれてきたアートクレイシルバー(銀粘土)と彫金の接合技術。千葉さんが10年かけて研究開発した同技術を、分かりやすくまとめている。
粘土状で焼くと、純銀になるという銀粘土。彫金では難しかったような、細かい線を作ったり、竹串やピンセットで直接模様を描けるところかが特徴。一方で、地金と接合できず、強度が低いため、趣味的な扱いの枠を超えられなかった。
金属同士を接合させるには、熱で溶かした合金のロウを挟むロウ付けを行う。銀粘土の場合はスポンジ状の構造のため、火を当てすぎるとロウが染み込んでしいまい、接合できないと思われていた。
千葉さんは、地金同士と同じように、銀粘土の焼成パーツと、地金の接合面をぴったり合うように調整。焼成パーツ側の接合面を鏡面になるように磨くことで、ロウの染み込みを抑えることに成功。
銀粘土で作った部分に、地金の土台を接合させることで強度を増し、一般のジュエリーとしての使用に耐える技術を確立した。
彫金職人の間で、銀粘土がおもちゃとしてみられているのが悔しかった。『新しくても素晴らしいものは認め、取り入れていくべき』と、諦めずに研究を続けてきた。
新技術を開発した職人は、特許を取って自分だけのものにすることが多いという。本をだしても技術をすべて明らかにせず、自分だけしかしらない部分を残すことがほとんど。
『技術は次世代に受け継ぐべき』という千葉さん。特許で囲ってしまわずに、同書には自分のもつ技術を余すことなく掲載。読んだ人が自分の技術を超えて、さらに飛躍してほしいと願っている。
同書はジュエリー専門学校や大学の彫金科などでの使用が決まり、中級と上級編の出版も予定されている。
問合せは『創作ジュエリーアトリエ・シルバーアート・カオリ』TEL019-652-5725 まで。

★2002年5月18日 【岩手日報】 掲載

2002年5月18日 【岩手日報】 掲載

独創技法 輝く奨励賞 盛岡の千葉さん銀粘土装飾展で3度目

盛岡市本町と折1丁目8-17 シルバージュエリーデザイナー千葉香さん(35)は、本年殿「銀粘土でつくるシルバーアクセサリーコンテスト」(日本余暇文化振興会主催)で、三度目の審査員奨励賞を受賞した。
受賞作の首飾りは、銀の表面をオレンジ色などに発色させる、千葉さんの独創的技法で作られた作品。試行錯誤を重ねた末の高い技術が、最大の銀粘土公募展で評価された。表彰式は25日東京で行われる。
「色彩のDelavu」と名づけられた作品は、中近東をイメージしたデザイン。銀と銅を重ねて曲げた部品と真珠、金属製の輪の148部品で構成される。
銀と銅を重ねて約際の、薬品や電気炉の温度、時間などの研究を重ねた結果、紫とオレンジ色を出すことができた。
銀粘土は銀粉と結合材を練り合わせたもので、自由に形を作り、電気炉で十分間役と、銀だけが残る。7年前に開発された素材で、工芸としての歴史が浅く、技術も手探り状態なのが現状。
その中で千葉さんの技術が評価され、プロ作家も出品した565作品中、4席にあたる審査員奨励賞を受賞した。
千葉さんは10年前、銀の美しさと強さに惹かれ、独学で銀細工を始めた。全国の職人を訪ねては腕を磨き、彫金、鋳金、銀粘土の三技法を身につけ、制作にいかしている。今回の審査員奨励賞のほか、他の大会でも多くの入賞経験がある。
現在は自宅の工房で政策を続ける傍ら、日本ジュエリーデザイナー協会会員として、市内の講座で講師を務め、銀細工の魅力を広めている。
千葉さんは「金属と熱による置くの深い世界を学ぶことが楽しい。受賞は励みになる」と喜んでいる。

★2002年5月15日【盛岡タイムス】 掲載

銀と銅の色模様
  コンテストで審査奨励賞

盛岡市本町通1丁目の彫金作家で、ジュエリーデザイナーの千葉香さん(35)は、このほど、日本余暇文化振興会など主催の『銀粘土で作るシルバーアクセサリーコンテスト2002』で、審査奨励賞に輝いた。文部科学大臣奨励賞、優勝賞に次ぐ賞。
千葉さんは『苦労して作り上げた作品だけに、とても嬉しい。いつも励ましながら協力してくれた夫と娘達、アシスタントさんのおかげだと思う』と受賞を喜んでいる。
銀粘土は純銀素材でできた粘土。こねて好きな形を作り、電気炉で焼いて固めており時バルのアクセサリーを作ることができる。
『遊ぶ』をテーマにした今回のコンテストでは、遊び心を大切にして、心がおもむくまま作り出す、自由で大胆な発想の作品が、国内外から集まった。
ネックレスチョーカー『色彩のデジャブ』は、銀と銅を融合させて色彩表現した、画期的な作品。熱を加えることによって、銀は紫色に、銅は赤色に変化して、自然に模様を作る。一見宝石のような風合いが個性的。中近東の『じゃらじゃらした』ジュエリーをイメージしてデザインしたという。
『銀粘土は中がスポンジ状になっていて、色での表現が難しい素材。今までは宝石と組み合わせなければ、色の表現が出来なかった』と千葉さん。『失敗を繰り返すたび、必ず生かして作品にしようと決意して、あきらめずに取り組んだ』という。
『1つ1つの石が、違った色彩、形、表情をみせてくれた。とても面白い表現が出来たと思う』
他に、真夜中の神秘的な海で繰り広げられる、真珠たちの営みをテーマにした、『神秘の樹海』しりーずのチョーカーと指輪、日本女性の美しさをテーマに長年作り続けている『東洋の華』シリーズの手鏡の3作品も出品していた。
日頃、彫金、銀粘土、ロストワックスの3つの技法を組み合わせて作品を制作している。『1つのやり方にこだわらず、自分のイメージをより忠実に表現できる技法を選んで作っている』と話す。
受賞作品は、5月24日から26日まで、東京国際展示場(東京都)に展示される。表彰式は25日に同会場で行われる。
千葉さんは、テレビ岩手やNHK文化センターで、一般向けの講座も開いている。文部科学省の銀粘土技能士の認定を受けている。『どの作品も、娘を嫁にだすような気持ちで送り出してきた。これからも心のこもった作品を作り続けていきたい』と話している。

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